オートミールは海外で広く食べられているシリアル食品です。
牛乳をかけるだけで食べられるので、海外では多くの方が朝食に愛用していますが、近年栄養が豊富で低GI値食品ということで、健康食やダイエット食として日本でも人気が高まっています。
こちらの記事では、白米とオートミールの違いやカロリーなどをご紹介します。
オートミール白米と比較!
オートミールとは、燕麦(えんばく)を脱穀して、調理しやすく加工した食品です。
燕麦はオーツ麦、オート麦、カラス麦とも呼ばれます。
燕麦はもともと雑草として扱われていたほど繁殖力が強く、気候条件が厳しい地域でも栽培できるため、生産量が多い穀物です。
しかし実が硬く、主食として扱いにくいため、馬や豚などの家畜の餌として多く使われてきました。
1870年代にアメリカで燕麦をフレーク化する技術が発明されたことで、オートミールが誕生しました。
フレーク化する技術とは、オーツ麦を蒸してから挽き割り、ローラーで平たく伸ばすなどの加工をすることです。
オートミールは手軽に調理できることから、全米で広く愛用されるようになりました。
アメリカの映画やドラマの朝食シーンによく出てきますね。
「oats(オーツ麦)」と「meal(食事)」という英単語を掛け合わせて「オートミール」と呼ばれるようになりました。
オートミールが日本に伝わったのは明治時代といわれています。
オートミールを日本で最初に製造販売を行ったのは日本食品製造です。
現在でも日本で広く愛用されているオートミール商品で、私もよく購入させて頂いています。
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オートミールと白米を比較
オートミールと白米の成分の違いを比べてみましょう。
オートミールの方がたんぱく質やカルシウム、鉄分、食物繊維は多いことが明らかです。
逆に脂質は白米の方が少ないことが分かります。
白米(180g) | オートミール(50g) | |
たんぱく質 | 4.5g | 6.8g |
脂質 | 0.5g | 3.8g |
カルシウム | 5mg | 24mg |
鉄 | 0.2mg | 2mg |
ビタミンE | 0mg | 0.2mg |
ビタミンB₁ | 0.04mg | 0.1mg |
食物繊維 | 2.7g | 4.7g |
オートミールと白米のカロリー
オートミールとご飯の1食分のグラム数にかなりの差がありますが、オートミールは食物繊維が豊富に含まれているので、腹持ちが良く30~50gくらいでお腹がいっぱいになります。
オートミール1食分(30~50g) | ご飯1食分(150~180g) | |
カロリー | 117~188kcal | 234~281kcal |
オートミールと白米の糖質
カロリーも抑えられますが、糖質はかなり抑えることができますね。
オートミール1食分(30~50g) | ご飯1食分(150~180g) | |
糖質 | 17.5~29.6g | 53.4~64.1g |
オートミールの栄養
オートミールは精白を行わず、外皮を残したまま加工するため、栄養価の高い食品です。どのような栄養が含まれているのか解説していきます。
オートミールは便秘を改善する効果がある
オートミールには100gあたり7.52gの食物繊維が含まれています。
これは玄米の約3倍、白米の約22倍になります。
オートミールには「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」という2種類の食物繊維が豊富に含まれています。
「水溶性食物繊維」は水に溶けやすく、ドロドロとしたゲル状になるので、水分をたくさん含み、便を柔らかくしてくれるので、便秘の改善に繋がります。
「不溶性食物繊維」は水に溶けにくく、腸内で水分を吸収して膨らみます。
そのため、腸のぜん動運動を活発化させ、便通の改善に繋がります。
オートミールは便秘の予防・改善の他に、腸内環境も改善して代謝を良くしてくれる効果が期待できます。
オートミールは貧血を予防する効果がある
また、オートミールは鉄分が100gあたり約6㎎含まれています。
これは、玄米の約2倍にあたります。
鉄分は貧血の予防や改善に欠かせないのですが、不足しがちです。
鉄分の1日必要摂取量はだいたい(成人男性10mg、成人女性18mg)が目安なので、オートミールと鉄分が豊富なレバーやほうれん草などの食材と一緒に食べると
良いです。
オートミールは貧血の予防や改善の効果が期待できます。
さらに、カルシウムやビタミンB1、ビタミンEなども含まれています。
オートミールの栄養成分表示
1食分(30g)の栄養成分表示
エネルギー | 111kcal |
たんぱく質 | 4.4g |
脂質 | 2.0g |
炭水化物 | 20.58g |
炭水化物(糖質) | 17.28g |
炭水化物(食物繊維) | 3.30g |
食塩相当量 | 0.0g |
カルシウム | 15㎎ |
鉄 | 1.4㎎ |
ビタミンB₁ | 0.11㎎ |
ビタミンB₆ | 0.05㎎ |
ビタミンE | 0.2㎎ |
水溶性食物繊維 | 1.85g |
不溶性食物繊維 | 1.45g |
発酵性食物繊維(β-グルカン) | 1.2g |
引用:「日食プレミアム ピュアオートミール」日本食品製造合資会社
オートミールはなぜ痩せるの?
オートミールがダイエットに効果があると感じたのは、食べるとお腹がいっぱいになるからです。
最近かなり注目を浴びるようになった「低GI値食品」ですが、オートミールもその「低GI値食品」です。
GI値とは食後に血糖値がどのくらい上がるかを示した数値です。
血糖値が上がると血糖を下げる「インスリン」というホルモンが分泌されます。
このインスリンは脂肪を作り、脂肪の分解を抑制する働きがあります。
そのため、インスリンが多く分泌されると太りやすくなってしまいます。
1990年代から、低GI値食品を摂ることにより肥満予防の可能性があると、様々な研究で報告されてきました。
オートミールはGI値55で、「低GI値食品」です。白米のGI値は76で「高GI値食品」です。
パンやうどんなどの炭水化物は高GI値食品ですが、玄米や蕎麦などは低GI食品です。
そのため、オートミール、蕎麦、ライ麦パンなどは、血糖値が緩やかに上がり、太りにくいと言われています。
食品 | GI値 |
白米 | 76 |
食パン | 65 |
パスタ | 65 |
うどん | 62 |
ライ麦パン | 57 |
オートミール | 55 |
蕎麦 | 46 |
オートミールの種類
オートミールにはいくつかの種類があり、調理方法や調理時間が異なります。
スティールカットオーツ
オーツ麦からもみ殻を取り除き、1粒を2~3個に割ったものがスティールカットオーツです。胚芽や外皮が残っているため、栄養価が高いのが特徴です。
しかし、加熱時間が短いと硬すぎて美味しく食べることができないため、時間をかけて鍋で煮るなど調理に手間がかかってしまいます。
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ロールドオーツ
オーツ麦のもみ殻を取り除き、蒸して平らに引き延ばし、乾燥させたオートミールがロールドオーツです。
麦の食感が感じられるので、主食として食べやすく、オートミールを米化するなら、ロールドオーツがおすすめです。
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こちらのブログでもオートミールおにぎりの作り方をご紹介していますが、やはりロールドオーツを使用しています。
クイックオーツ
ロールドオーツを細かく砕いたものがクイックオーツです。
熱湯で戻すだけで食べられるのですが、味付けがされていないので、即席のスープなどに入れ、リゾット風にして食べるなど加熱と味付けが必要です。
簡単な調理で食べられて、必要最低限の加工しかされていないので、栄養価も高く、これからオートミールに挑戦してみようと思っている方にもおすすめの種類です。
ロールドオーツに比べると、歯ごたえがなく、お粥に近い食感です。
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インスタントオーツ
ロールドオーツを調理してから乾燥させたのがインスタントオーツです。
味がついているので、牛乳やヨーグルトをかけるだけで、加熱しなくても食べることができ、時間がない朝などにおすすめです。
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グラノーラ
グラノーラはオーツ麦、ナッツ、玄米などにオリーブオイルやシロップを加えて混ぜ合わせ、オーブンで焼き上げたものです。
ドライフルーツを加えたものなど、様々な種類があります。
おわりに
ご覧いただき、ありがとうございます。
こちらの記事では、オートミールを食べ続けた結果について色々とお話させて頂いてますので、ご覧になってみてください。
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